トラブル・不具合発生が予想される事例(訴訟に発展する???ケース!!!)
A.木造住宅(在来工法、2×4工法)
1.雨漏り
建物の不具合の中で必ずクレームになる事象は「雨漏り」です。生活していて
不便なことはもちろん、放置すると建物を腐敗させ構造的にも影響を与えます。
建物の構造ごと具体的に雨水が侵入する
場所と原因と対策について考えて
みましょう。まず、木造です。
(1) 屋根
①棟 ②谷 ③ケラバ
屋根の材料には、コロニアル・瓦・鋼板・銅板があります。
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谷の部分や水たまりからの漏水原因
谷は雨水が集中して流れる場所です。水が流れていれば大丈夫な場合が多いのですが、滞留するとかなりの確率で雨漏りが発生します。 |
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対策
雨水が滞留しないように勾配に気を使って施工してもらいましょう。
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(2) 外壁
①開口部(窓サッシ)周り
②開口部(換気扇、通気口)周り
③クラック
④装飾モール等
壁の材料にはサイディングやモルタル吹付・コテ塗り仕上があります。
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窓サッシ、ドア周りからの漏水原因
壁面で一番雨漏りの被害が多いのは開口部で、窓サッシやドア周りからの漏水です。暴風雨などの時に軒下などから入った雨が外壁仕上げの内側を伝わって下に落ち、窓周りの防水紙や防水テープ のすき間から室内に侵入してきます。 |
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対策
防水紙を窓枠周りまですき間なく貼り、幅100㎜
以上の防水テープをしっかりと貼り固定してもらいましょう。
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(3)バルコニー、ベランダ
木造住宅の防水工法では、ウレタン防水・FRP防水等が一般的です。
①排水ドレン周り
②防水立ち上がり天端
③FRP防水などの重ね接続部
④屋上パラペット板金笠木天場
⑤アルミ笠木周り
▼Z部 拡大断面図▼
原因と対策
①排水ドレン周り
バルコニーやベランダで最も雨漏りが多い場所がドレン周りです。
仕様書通りの正確な施工を行って雨漏りを防ぎましょう。
②防水立ち上がり天端
重ね代(しろ)を十分に確保して雨水の侵入を防ぎましょう。
③FRP防水などの重ね接続部
狭いバルコニーでは重ね代を作ることはほとんどありませんが、ある場合は
10cm以上確保することが大切です。20cmあれば安心です。また、FRP防水
やシート防水の表面に傷などがないか確認しましょう。
④屋上パラペット板金笠木天場
デザインを重視して正面にパラペットを立ち上げる場合があります。あまり
お勧めはできません。板金(トタン)で造る場合が多いのですがしっかりと施工
しないと漏水の原因になります。一番水が侵入しやすい場所は天場から
押さえるための釘やビス穴です!!!ゴムパッキンなどのついたビスを使い、コーキングでしっかり押さえましょう。それと、笠木の上部を凸ふくらませる
ように勾配を(水が滞留しないよう)造る事が大切です。出来ればアルミ笠木の使用をお勧めします。
⑤アルミ笠木周り
手摺の立ち上りにかぶせるアルミ笠木の周りから漏水することはめったにあり
ませんが、台風などで強風が吹き下から雨が舞い上がってくるような時には
漏水する可能性があります。内部はしっかり防水紙をかぶせましょう。
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06-1mo
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